「嫌われる勇気」悩んでいる多くの人が知らない考え方

ライフハック

騙されても信頼せよ

私はアドラーの考え方である、「他者信頼」をどうしても受け入れることができませんでした。

アドラー心理学ではたとえ誰かに騙されたとしても信頼せよというのです。

自分の不利益になることを恋にしてきた人でも怒らず、信頼せよとアドラーは教えています。

私はこれを聞いた時、悪い人を信頼して、殺されたらどうするんだと心の中で思いました。

青年も同じようなことを言うと、哲人はそれでも許しなさいと言うのです。

どんなに騙しても許して信頼してくれる人がいたら、悪い人はその人を騙せますかと言うのです。

青年の言う通り、哲人の言っていることは甘っちょろいと思いました。

私は231ページを読むまでアドラーの考え方に賛同していました。

感動し、大きな喜びを感じていたのです。

しかし、この他者信頼の話を読んだ時、青年と同じように哲人がペテン師のように思えたのです。

過去に騙された経験

私は初めて派遣で入った会社に2年半通ったのち、派遣切りにあいました。

3年間派遣社員と働いたら、派遣先は派遣社員を正社員にしなければならないからです。

私は将来に起業したいという夢があるので、正社員を目指すつもりはありませんでした。

ですので、私は3年経つ前に辞めようと思っていたのです。

ですが、ある日マネージャーに呼び出され、私がセクハラをしていると言われました。

メールでやりとりした、あったこともない女性に私がセクハラをしていると言うのです。

相手は女性だからそういう風に思われたら、もう何も言えないと言うのですね。

私はそれが”原因”で、業務を制限されました。

それから1ヶ月後に契約を解除されたのですが、私は同性愛者なので、異性である女性に好意を抱くはずがありません。

なのに、私はあったこともの愛異性にセクハラをしたと言われ解雇されたのです。

当時は不当解雇など知りませんでしたので、弁護士に相談することもなく、新しい会社に就職しました。

次は正社員でした。

派遣社員だからこんな風なことになったのだと、見返すために正社員になったのです。

しかしまたもや正社員をクビになりました。

正社員で入った企業がSESを行なっている企業で、私の常駐先が前職のグループ企業でした。

グループ企業だから問題ないと直属の上司(前職で信頼できる人)に言われました。

しかし人事部は私があの久利生だと気づいた途端に、契約を打ち切ったのです。

それが原因で私はまたもや解雇されたのです。

さすがに不当だと感じ、中学の友人だった弁護士に相談し、給与6ヶ月分の解決金をもらいました。

私はここから悪い人は裏切ると考えるようになったのです。

人に操作されたらだめだ。

やられる前にやり返す。

やられる前にこっちから裏切るんだと考えるようになったのです。

ですので「他者信頼」などできるはずがないし、「他者信頼」をしていたら、また過去の二の舞になるのです。

どんなに騙されても信頼せよ

しかし哲人は「どんなに騙されても信頼せよ」と言っています。

私はこれを読み、一度実践してみました。

先日フリーランスの案件の結果が出るのを待っていました。

はじめは翌日中には出ると言われましたが、その日結果は出ませんでした。

結果により私の運命は大きく左右されます。

明日やることになることが大きく変わってくるのです。

ですので、ワクワクとドキドキであまり眠ることができませんでした。

次の日いくら待っても結果の報告がきません。

やっときたのは17時頃でした。

しかし私はバスに乗っていたため、その電話に出ることができませんでした。

担当者は打ち合わせに入ってしまうため、打ち合わせ後に連絡をくれると言います。

バスを途中下車していれば、私の運命はもっと早くわかっていたかもしれません。

私は後悔します。

しかし打ち合わせなど1時間で終わるだろうと思っていました。

1時間2時間経ってもかかってきません。

担当者は私への連絡を忘れたんだと思いました。

また今夜も眠れないかもしれない。

そう考えると、不安でした。

だんだんと怒りが込み上げてきました。

待たずにこちらから連絡して急かそうか。

そう考えました。

しかし私はアドラーの教えを実践してみることにしました。

たとえ私への連絡を忘れて明日連絡がきたとしても、許そう。

いや、ここは必ず覚えていると担当者を信頼しみよう。

そしてこんなことも考えました。

もし担当者が本当に忘れていたとしたらそれは問題だ。

それでも許したら、きっと担当者は自分に埋め合わせを考えるだろう。

そんな悪い考えもしました。

現実にはその10分後くらいに連絡がきました。

連絡ではまだ結果が出なかったと言われます。

普段の私であれば、怒っていたかもしれません。

「こんなに待たされたのに、まだ結果が出ない?」

そう言っていたのかもしれません。

でも私はアドラーの教えを実践してみました。

私「大丈夫ですよ。気になさらないでください。あなたのせいではありません」
担当者「いえ、これでもしこれで断られたら、必ずこちらからいい案件を紹介します」
私「いえいえ、大丈夫です。本当に気になさらないでください。あなたは悪くありませんので、本当にお気になさらないで」
担当者「ありがとうございます」

それから30分後、見事案件が決まったということ連絡がありました。

私がもし「嫌われる勇気」を読んでいなかったら、対応は変わっていたでしょう。

私「何日待たせているんですか?もう他の企業様にお願いします」

担当者「え」

私「もう大丈夫です」

担当者「でも」

事実は私は採用されていました。

しかし私はその案件を蹴ったことになります。

次の日も転職活動を繰り返していたでしょう。

また眠れず、倒れていたのかもしれません。

どんなに騙されても信頼せよで過去のことを考える

私は過去に起きた騙された経験もアドラー心理学で対応していたらどうなっていたか考えました。

これはアドラー心理学には反する行為です。

過去に囚われてはいけません。

しかし分析するために考えてみました。

私がセクハラでクビになった時。

マネージャー「相手の女性がいやがっているそうだ。当分その業務をやめましょう」

私「かしこまりました」

前向きに違う仕事をしよう。

過去のことなど関係ない、できることをしよう。

自分は同性愛者だから女性にセクハラなんてしないけど、仕方ない許そう。

結果としてクビになるかもしれませんが、円満退職になります。

今まで2年半過ごしてきた人には悪い噂をされているかもしれませんが、知りません。

他人の評価など、どうすることもできません。

私は自分がやりたいことをやります。

目的論。

どうしたいか。

もう一度派遣を探します。

起業したいからです。

すると、正社員として就職することはなく、もう前職と関わることはなかったかもしれません。

たとえ正社員になり、前職グループ会社に派遣されまた契約を打ち切られても仕方ない。

受け入れよう。

他者を信頼しよう。

何か事情があったんだと考え、次を目指します。

するとクビにならずインフラエンジニアとして次の案件に従事したかもしれません。

そして希少価値の高いインフラエンジニアのフリーランスとして稼いでいたかもしれません。

私は現在、Uipathを使用したRPAツールでフリーランスとして働くことになりました。

原因論で過ごしていたし、「他者信頼」を否定してきましたが、うまく暮らせています。

でもほんの少し前から「他者信頼」を取り入れ、他人の裏切りを受け入れることにして、少し楽になりました。

「他者信頼」は戦争を解決する