【考察】「鬼滅の刃」が面白い理由はどこにあるのか?〜発明級のアイデアがそこにはあった!

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漫画

最近「鬼滅の刃」が面白いと話題になっています。

正直最近は面白い漫画というのが減ってきており、私も33歳で、もう漫画は卒業しないといけない歳なのかと感じていました。

でも、「鬼滅の刃」が面白いと話題になっているので、どれくらい面白いのかと思い手に取ってみました。

正直第1巻を読んだときは、その面白さが全くわかりませんでした。

それは、期待をしていなかったからかもしれません。

たかが少年漫画の領域だ。

ワンピースやHUNTER×HUNTERのようなレベルではない。

そう思っていました。

それでもコロナの感染拡大で時間ができた上GWで暇になったので、2巻の始めの部分からアニメで見てみました。

アニメは無料で観れたので、それだけの理由です。

アニメを見始めて、気づいたのはこのアニメはなんか違うなということでした。

そうしてどんどんハマっていきました。

もう一度改めて、漫画の一巻を読みました。

今度は真剣に読み始めたんですね。

そうすると、やっぱりこの漫画は面白かったんです。

なぜ面白いのか、私は真剣に考えながら続きを読み始めました。

こちらでは「鬼滅の刃」がどうして面白いのか真剣に考えた結果を書きます。

【「鬼滅の刃」が面白い理由】「HUNTER×HUNTER」の続きみたい

まずはじめに抱いた率直な感想は、「ああ、これHUNTER×HUNTERに似てるな」という感覚でした。

なんだかHUNTER×HUNTERを新しくリニューアルした感じなんだと、正直そんな印象を感じました。

今HUNTER×HUNTERは、休刊中で続きを見ることができません。

だからHUNTER×HUNTERの読者が鬼滅に流れているのかなと、そういう印象を得ました。

なぜHUNTER×HUNTERに似ているのかは、鬼滅の刃にもハンター試験のようなものがあって、試験に通過した主人公(普通の人間)がどんどん強くなっていく物語だからですね。

そこには個性的なキャラクターがたくさんいて、後からどんどんすごいキャラに遭遇して物語が肉付けされていく。

そういう広義の構成はHUNTER×HUNTERそのものでした。

こういう部分が読者を抱え込んだんだと感じました。

でも読み進めていくと、HUNTER×HUNTERとはちょっと違う部分で私は驚かされていることに気づきました。

【「鬼滅の刃」が面白い理由】「本当に一人で考えてるの?」と思うほど完成度が高い

ここからが本題です。

「鬼滅の刃」は少し長い短編が少し早いテンポで進んでいく構成になっています。

鬼を倒すまでが短編なんですね。

それがずっと続いていく構成になっています。

「鬼滅の刃」はその1つ1つがちょうどいいサイズで、しかもちゃんと完成している点が素晴らしいと思いました。

なぜ「鬼滅の刃」はこんなに完成度が高いのか考えたら、作者の吾峠 呼世晴の頭の良さがどんどん見えてきました。

【「鬼滅の刃」が面白い理由】ポイント①戦闘に納得感がある

面白くない物語ってツッコミどころが多いんだと思っています。

例えば推理小説であれば、「そんなんで人間は人を殺さんだろう」とか、弁護士ドラマだったら「そんな詰めで凶悪犯は自白せんだろう」とか。

最後の見せ場で、意外とすんなり問題が解決してしまったら、ファンにはなれません。

少年漫画だったら、敵の強さと主人公の強さが非常に重要です。

つまり戦闘の難易度と説得感ですよね。

漫画なので、戦闘の仕方はぶっちゃけなんでもありです。

竈門 炭治郎だって「水」の呼吸法という現実世界では絶対にあり得ない、魔法のような戦い方を身につけました。

それは漫画だからどうでもいいんです。

大事なことは、ちゃんと物理的に敵の急所を捉えて倒せるかというところです。

「鬼滅の刃」はきちんと、順路立てて物理的な弱点を見つけ出し、きちんと敵を殺してくれます。

そして殺した後のケアもしっかりしているので、教育的にも優れています。

「沼の鬼編」では、沼の中で戦う炭治郎は息が続かないのではないかと心配でしたが、狭霧山の頂上が空気が薄かったことを理由に示し矛盾性を打ち消しました。
また水の中で渦を発生させ敵を倒しました。

炭治郎はきちんと環境を分析し技を選んでいるんですね。

そういった納得感のある倒し方で、毎回戦闘シーンを見応えのあるものにしています。

【「鬼滅の刃」が面白い理由】ポイント②キャラクターが程よい変キャラ

「鬼滅の刃」の魅力で語らずにいられないのが、キャラクターの際立ちです。

主人公の炭治郎は真面目すぎてちょっと面白くないですが、脇を固める鬼殺隊の面々が程よい変キャラでいい味を出しています。

我妻 善逸君は、炭治郎の同期にあたる16歳の鬼殺隊剣士ですが、とっても臆病で「怖い怖い、死ぬ死ぬ」と超うるさいんですね。

この子が本当に鬼殺隊剣士になれるの?と思うほどメンタルが弱いです。

そのくせ女の子には滅法弱く、クラスに1人はいるような女たらしです。

そのくせ「やるときはやるタイプ」で、本当はめちゃくちゃ優しい性格の持ち主です。

キレたらやばいけど、変なところではキレない愛されキャラです。

でも普段は本当にダメ人間ですねw

さらに嘴平 伊之助君は、いつも自分が一番な自己中タイプで、炭治郎にライバル意識を抱き、いつも決闘を申し込んできます。

炭治郎が疲れているのに、攻撃してくる本当に厄介な人です。

伊之助君は正直現実世界にいたら、本当にめんどくさい人なんですが、炭治郎は伊之助君が悪い奴ではないとわかっています。

話せば分かる人だと信じているので、とても優しく対応しています。

さらに伊之助君はとても強いので、炭治郎も頼りにしてるんですよね。

伊之助君はそんな炭治郎の優しさに触れ、人間的にどんどん成長していきます。

私が「鬼滅の刃」の虜になってしまったのは、こういう人間関係を見ていて本当に微笑ましくなったからです。

炭治郎は超がつくほど良い人で、みんなのリーダーになれる人でした。

どんなに変な人でもその人の個性を見抜き信用します。

そんな炭治郎の優しさに困ったちゃんたちも信頼を示しついていくんですね。

そういう人間関係は子どもたちの教育にも良いのではないでしょうか。

【「鬼滅の刃」が面白い理由】ポイント③炭治郎の心の強さ

「鬼滅の刃」には大人の私でも学ぶことがありました。

炭治郎は、鼓屋敷編で「長男だから」という言葉を多用します。

足の骨と肋骨が折れた状態で、響凱と対峙知るのですが、本当は痛くて痛くてどうしようもない状態なんですね。

普通なら逃げても良い状況だったと思います。

一旦逃げて、治療してから戦えば良いんですよね。

痛いなら無理ですよ。

私なら自分の中の善逸君が出てきて逃げるでしょう。

そんな状態でわけのわからない鬼と戦っていたんですね。

負傷状態なので逃げる理由ならいくらでもあります。

でも炭治郎は「長男だから我慢しない」といけないと言います。

炭治郎は師匠である鱗滝さんと心の中で対話し、痛みがある状態でも繰り出せる技を模索しました。

そしてその1つの可能性を見出した後は、自分を鼓舞し始めたんです。

まっすぐに前に向けといって、踏ん張れ頑張れと自分で自分を励ましたんです。

「俺はできる奴だ、今日もこれからも俺が挫けることは絶対にない」と、折れた心を修復しました。

炭治郎は本当にすごい人です。

よく啓発本などで、諦めてはいけないと鼓舞する本がよくありますが、ではどうやったら自分を鼓舞できるのかを書いている書籍は少ないです。

「鬼滅の刃」には啓発本にも通ずる、意識形成法が書かれていました。

私はほんの14〜5歳の炭治郎に学ぶ精神があったことに感動しました。

そして炭治郎は鬼と対話します。

敵である鬼と対話をすることにするんです。

炭治郎鬼である敵を分析しようと試みました。

これは営業方法にも通ずる戦略です。

「敵に勝ちたければ、敵を知る」そんな言葉はありますが、敵に自ら話しかける主人公はそんなに多くありません。

炭治郎は敵と対話することで、弱点を見つけました。

そして全集中し、ここぞという時に全精力をつぎ込むのです。

炭治郎は決して諦めることをしませんでした。

【「鬼滅の刃」が面白い理由】ポイント④鬼が人間ぽくて味方になる

ここからが最大の魅力であり、「鬼滅の刃」を面白くしているポイントだと思います。