映画『砕け散るところを見せてあげる』を観てきました。
本日、SABU監督『砕け散るところを見せてあげる』公開です。
ひりひりする物語です。
そして深い愛に包まれた物語です。
是非劇場でご覧ください☺️#kudake_movie pic.twitter.com/B70yxsSu8z— 松井愛莉 STAFF (@airi_staff) April 9, 2021
出演者が中川大志さん、石井杏奈さん、北村匠海、井之脇海、清原果耶、松井愛莉と錚々たる若手俳優が集結したこの作品。
予告を観て圧倒され観にいきました。
観た感想としてはうーんという感じでした。
ただ堤真一さんがリアルすぎて、こんな感じなのか?と思うことがありました。
目次
ネタバレなし映画『砕け散るところを見せてあげる』内容
内容としては、ヒロインの蔵本玻璃の父親に何か秘密があるのではないかと、予告を観たらわかると思います。
でもそれが何なのかはっきりとは伝えられていません。
主人公の濱田清澄は玻璃といい感じになることもわかります。
でも何か秘密を抱えている。
そういう感じですよね。
出だしはとても良い感じで監督のセンスの良さを感じます。
それですっと吸い込まれていきます。
ぜひ観ていただきたいです。
ネタバレあり映画『砕け散るところを見せてあげる』内容
さてここからはネタバレありで説明していきます。
玻璃はおばあちゃんを父親が湖に沈めたことを見ていたため知っていました。
堤真一さんがこれで共犯だなと予告で言っているのは、玻璃の目の前でおばあちゃんの遺体を湖に沈めたからです。
玻璃は学校でいじめられていました。
正義感の強い主人公の濱田清澄(中川大志)は、玻璃を助けます。
玻璃と清澄は仲良くなり、親密な関係になるんですが、玻璃から父親がすごく厳しい人だと聞かされます。
中盤で清澄の母親(矢田亜希子)が玻璃を家まで届けるシーンがあります。
そこでちょうど父親の車が前を走行するのがわかります。
玻璃が手を振ると父親は急に車を停止し、逆走していきます。
これを見ておそらく清澄の母親は玻璃の父親がちょっと変な人かなと感じたんだと思います。
その後、母親が玻璃の父親に玻璃が一緒に暮らしていると言っている、おばあさんのことを聞くと、おばあさんは母親が勤める市立病院に入院していると言います。
それで父親が何かを隠しているとわかるんですが、バレてしまったと感じた玻璃の父親が清澄と母親を殺そうとします。
ここからどんどん怖くなっていきます。
清澄は玻璃からおばあちゃんは家の近くの湖に沈められたと聞かされます。
おばあちゃんは介護が必要な体になっていたんでしょうか。
父親からすると面倒な存在だったのかもしれません。
清澄は玻璃と一緒におばあちゃんの遺体が入ったスーツケースを掬い上げようとします。
掬い上げられたスーツケースはおばあちゃんが入れられていたスーツケースではなく、玻璃のお母さんが持っていたスーツケースでした。
そこで玻璃は出て行ったと聞かされていたお母さんまで父親が殺したことを知ります。
その後家に帰ろうとした玻璃と清澄を玻璃のお父さんが見つけた瞬間、お父さん(堤真一)がゴルフクラブで清澄の頭を殴ってしまいます。
その後、2発合計3発、清澄は殴られてしまいます。
このシーンを普通に流しているので、ちょっと怖いです。
堤真一さんは本当に犯罪者なんじゃないかと思うくらいのすごい演技をします。
さらっと、「あらまだ生きてる?」とか「もう」とか言いながら面倒くさそうにことを進めていくんです。
玻璃が急に話さなくなるので、「死ぬ時まで勝手だな」と言うのを見ると、犯罪者ってこんな感じなのかなと思ってしまい違和感を感じます。
それほど堤さんの演技が秀逸です。
玻璃のお父さんは玻璃と清澄を焼いて処分しようとします。
しかし1発だけ殴られた玻璃は体を動かせる状態でした。
玻璃は死んだふりをしていました。
玻璃は清澄を守るため起き上がって父親を殺害します。
数日後清澄は病院で目を覚まし、一命を取り留めたことがわかります。
玻璃は名前を変え新しい生活をスタートしました。
もう玻璃と清澄は会うことがありませんでした。
3年後商店街で偶然再開し2人は結婚し、玻璃は赤ちゃんを授かります。
出産日当日、清澄は川に沈没してしまった車に乗る家族を救うため、氾濫した川に飛び込みます。
救助は成功しますが、清澄が遭難してしまい、帰らぬ人となります。
玻璃が出産したのは北村匠海さん演じる清澄と玻璃の息子でした。
ネタバレあり映画『砕け散るところを見せてあげる』内容解説
冒頭で北村匠海さんが受験勉強をしている姿が流れます。
北村さんが目指すものはヒーローだそうで、勉強中にヒーローに変身するのを母親に見られて恥ずかしがるというのがあります。
北村さんの父親はヒーローだったといいます。
川の氾濫時、自分の命を犠牲にして他人の家族を救いました。
その家族の中ではヒーローになることがとても重要だと語られているようです。
この時その父親が誰なのかわからないように描かれています。
それから急に中川大志さん演じる濱田清澄の話になります。
北村くんはなんだったのかなと思いながらストーリーは進んでいきます。
ヒロインの玻璃は学校でめちゃくちゃいじめられていました。
でも今から考えると、父親から同級生を守るためだったのかもしれません。
玻璃はずっと父親とおばあちゃんのことを悩んでいたんです。
それでおかしくなっていたのもあるかもしれません。
そこへ清澄が登場します。
みんな自分を煙たがる中、清澄は助けてくれました。
玻璃は清澄のことを好きになったのかもしれません。
中盤で清澄が父親に会い、父親が清澄をよく思っていないことに気づいた玻璃は清澄を守るために清澄との距離を取ることにします。
玻璃は清澄を無視するようになるんです。
玻璃は今の状況、つまり父親が殺人者であることをどうしようもない問題だと思っていました。
その問題のことを玻璃はUFOの侵略だとしていました。
目に見えないUFOが自分を苦しめているんだと考えるようにしたんです。
でも清澄が現れて人生が少し色づき始めました。
その清澄をも父親は奪おうとしています。
ヒーローは自分のために戦わない。
ヒーローは他人のために戦うんだ。
だから清澄は自分の身を危険に晒し、玻璃を救おうとしました。
しかし本当にやばい玻璃の父親は一瞬で清澄の頭を砕いてしまいます。
今まで自分のために隠れていた玻璃は清澄のために自分の身を削ることにします。
本当はやりたくなかったけれど、父親を砕いてしまうんです。
そして人生も砕かれてしまいます。
最後に北村くんと清澄が親子だったんだとわかります。
玻璃の父親はやばい人でした。
全く真逆のやばい人だったんです。
その両者が家族を苦しめる結果となりました。
でも清澄には愛がありました。
その愛を時折北村くん演じる清澄と玻璃の息子は感じているんです。
【ネタバレ】映画『砕け散るところを見せてあげる』タイトルの意味とは?
中川大志の成長に“母”感激「何かあったの?」@kudake_movie
▼ほか写真ありhttps://t.co/2SoTrDx0cF
— モデルプレス (@modelpress) April 10, 2021
『砕け散るところを見せてあげる』というタイトルの意味ですが、これは映画の中でしかありえない話なんだと思いました。
主人公の清澄のような正義感の強い人は実際の世界にはいません。
だからこれは映画なんです。
映画とはありえないことを描くものです。
そう考えると、自分の身を犠牲にして人を救うということはありえないことだということを映画を通して伝えたのかもしれません。
自分を犠牲にして人を救うとこうなってしまうんだと。
自分を犠牲にできるってすごいことだけど、現実でやってしまうとこうなってしまうんだよ。
そんなジレンマを伝えたかったのかもしれません。
つまり理想的な人の行いをやると、こういうことになるよね。
だから「砕け散るところを見せてあげる」、つまり映画だから見せてあげる。
人が人を救うところを。
ということなのかもしれません。
「でもそんなこと現実ではできないよ」と、言っているのではないでしょうか。
【ネタバレ】映画『砕け散るところを見せてあげる』感想
[映画短評]『砕け散るところを見せてあげる』松井愛莉&清原果耶の姉妹が最強すぎる!/くれい響 https://t.co/aQd30QE5Id
— シネマトゥデイ (@cinematoday) April 8, 2021
主人公の清澄は面倒なことに頭を突っ込みます。
見て見ぬふりをすればいいのに、いじめに介入してしまいます。
ただこれって本当は矛盾しています。
いじめは止めなければなりません。
でも普通はみんな避けます。
なぜなら主人公の清澄のような面倒なことに巻き込まれてしまうかもしれないからです。
でもいじめを助けましょうと言っているんですね。
そこにジレンマがあります。
いじめから人を救うことはとても素晴らしいことです。
でもいじめから救ったら自分が同じ目に合うかもしれない。
そんな面倒なことが自分に降りかかるかもしれないんです。
だからやめておけばいいものを清澄は介入します。
玻璃に父親の秘密を聞かされた時も清澄は自分で解決しようとします。
警察に相談すればいいものをと思います。
家に帰ったら玻璃の父親がいるかもしれないのにと誰もがわかるのに、帰って頭を砕かれてしまいます。
全ては玻璃に介入してことから始まりました。
放っておけば良いものを。
最後清澄は氾濫して遭難してしまった家族を救います。
この時も放っておけば良いものをと思う自分がいます。
でも本来は清澄のように救おうとすることが正しいんです。
そこにジレンマがあります。
自分を守るか、人を救うか。
この両方がいつも存在していて、悪いことだけど多くの人は自分を守る方を選択するんです。
それが自分を守ることになるから。
この映画はそんなジレンマを伝えたかったんではないでしょうか。