【地方創生】「陸王」効果で埼玉県行田市が発展している件を深掘り

テレビ

ドラマ「陸王」は平均16%と今期2番目に高い視聴率を誇っている。そして12月24日に放送された最終話では20.5%という驚異の数字を叩き出しました。
ドラマは老舗の足袋屋がランニングシューズを開発して売り出そうとする物語だが、その効果は現実の世界でも出てきている。
足袋製造で有名な埼玉県行田市では足袋が売れまくりというのだ。

この記事を地方創生の観点から調べていきたいと思います。

埼玉県行田市の現状

人口は約8万人で、年齢構成としては高齢者の比率が少ないので、そこまでひどい状態ではありませんが、明らかに人口が少ないためとても良いとは言えない状況です。

田んぼアートが有名で、「陸王」の他にも「ドラゴンクエスト」などの田んぼアートがあります。

どうやって作っているかというと、品種の異なる複数の苗を植え付けることで、色分けをしているそうです。

他にもたくさんのアートが見られるので、上のリンクを見てみて下さい。

ちなみに、行田市の田んぼアートはギネスに登録されているそうです。


そんな行田市で足袋が今までより売れるとなると、足袋屋で働いている人の生活が今までより良くなります。

ボーナスが支払われるのでしょうか。あるいは会社の投資が増えるのでしょうか。

どのような影響がでるかわかりませんが、今まで他の都市にあったお金が流れ込んでくるわけなので、何らかのお金の変化が起こります。するとその効果が回り回って人口増加へと変化するのです。

 

厳しい地方創生:埼玉県行田市編

しかし、これだけでは当然、人口の増加には繋がらないかもしれません。

なぜなら、陸王は今年中に終わってしまうからです。となると、もう足袋は売れません。

つまり、これは特需であり、一過性の現象に過ぎません。

今回の件で行田市が行わなければならないことは、足袋のブレイクではなく、ドラマと同じ足袋シューズのブレイクです。

足袋シューズがブレイクして、常態的に足袋屋が儲かれば、必ず人口は増えます。

埼玉県行田市の望み

なぜなら、ドラマにもあるように宮沢社長の息子・大地がこはぜ屋へ就職するとなると、東京へは出て行かなくなります。

こはぜ屋の業績が上がり大地が行田市に留まることこそ、地方創生の第一歩なのです。

これこそが、地方創生という現象です。

こうなれば、人口は1〜2人増えます。なぜなら大地が行田市に留まると子どもが増えるからです。

もしかしたら、娘の茜もこはぜ屋を手伝うかもしれません。となると、一石二鳥です。

何と言っても地方創生で重要なことは産業の潤いです。

外部からの流入産業の潤いもそうですが、内部の産業の潤いも効果的なのです。

ですので、今回の特需を常態化しなければなりません。

つまり、今回のチャンスを逃さないためにはこはぜ屋さんのモデルになっている「杵屋足袋」さんの業績にかかっているのです。

 

杵屋無敵(MUTEKI)とは

杵屋無敵(MUTEKI)を販売している杵屋足袋さんはまさにドラマのこはぜ屋さんと一緒でランニングシューズを販売している企業さんです。

きねや足袋さんが売り出そうとしているシューズが杵屋無敵です。


このシューズが「陸王」のモデルになったのでしょうか。

池井戸さんはこのシューズを知り、この物語を書いたのかもしれません。と思うなんとも貴重で、伝説の足袋シューズと思えそうな代物です。

 

杵屋無敵(MUTEKI)の課題

しかしいくら甘口に評価してもこの杵屋無敵は東京では絶対に売れません。

申し訳ないですが、東京でこのシューズは誰も買いません。

”まず見た目がダサい。そして名前がダサい。”

もちろん、その部分に気づいてデザインを重視しているところは見受けられるのですが、それでもまだまだダサいです。

この見た目では表に出せるレベルには到底達していません。この色使いとデザインは試作品段階です。

デザインをもっと優秀なデザイナーに頼むべきです。

この二つの欠点から、申し訳ないですがこれでは一切売れないと思います。

デザインは肝なので、お金を多く積んでもいいので、なんとか近代的なデザインにすべきです。

デザインがよければ東京でも必ずうまくいきます。

TBSがミズノに製造を依頼した足袋型シューズはこんなにもかっこよく重厚感がある仕上がりになります。

これであれば、絶対に売れると思います。

つまり、本当に才能のある人がシューズをデザインすれば、これくらいのクオリティは作れるのです。

しかし私はこのミズノのシューズでもそれほど洗練されたデザインではないと思います。もっとかっこよくなります。

こはぜ屋の「陸王」でさえ、ダサいのにシルクレイのおかげで、ソールだけでもカラフルになり少しだけ近代化したレベルです。

それでも陸王というネーミングにはセンスのかけらもありません。

これが小説のタイトルであれば魅力があったかもしれませんが、靴の名前で「陸王」というのは全くセンスがありません。

競合の「アトランティス」のシューズの名前は「RⅡ」です。であるのに、「陸王」では売れるはずがないのです。
これを改良すれば、まだまだ勝てるチャンスは十分にあります。
デザインと名前の刷新は急務と考え、新モデルを発表することが成功への近道だと思います。

 

杵屋無敵(MUTEKI)の特徴

クッション材がない為、素足で走っているような感覚になるシューズというところが売りだそうです。

人間は本来裸足で走る方がいいそうですが、このシューズはまさにその裸足で走っているのに近い走り方を実現できるそうです。

しかしドラマにあったようにシルクレイという素材は存在せず、ちょっと伝説のシューズというレベルには達していないのが現状です。

本来はドラマにもあったように、競合のランニングシューズに勝る機能性が無ければ売りにはなりませんので、この部分の開発にも勤しんで欲しいところです。

 

地方創生の難しさと希望

このように見てみると地方創生にはまだまだ課題点が多く、いくつもの壁が存在しているようです。

やはり、常態的に地方の企業の業績が向上し人口増加を生むことはかなり難しいのかもしれません。

しかし今回の事例には一つのヒントがありました。

それは、小説やドラマにでも取り上げてもらえれば、地方は創生するのだということです。

この案件は一過性の効果しかないかもしれませんが、一過性であろうとチャンスを作ることができるということです。

地元に根付く産業に人気の作家が目を付けただけでこれだけのムーブメントを起こすことができるのです。

ということは人気作家は生涯一冊でもいいので、地元産業をメインコンセプトにおいた小説を書くべきだと思います。

そうすることは地方創生の多大なるチャンスとなり、日本を救う希望となる可能性があるのです。