【『グッド・ドクター』3話考察】助けられなければ、責められる

ドラマ

瀬戸先生はたらい回しにされ、誰も相手にしなかった美結ちゃんという女の子を助けようとしました。

誰もが諦める状態で、瀬戸先生だけは助けようとしました。

しかし助けることができず、親に責任を押し付けられました。

親が悲しむのは当たり前です。

誰かのせいにしたいのは当たり前のことなのです。

医者は助けられなければ、責められる

瀬戸先生は美結ちゃんを誰よりも助けたかったはずです。

それが初めての執刀でした。

初めての執刀で、リスクがあるにも関わらず、美結ちゃんを死なせたくなかったから、メスを握りました。

手術は成功せず、美結ちゃんを死なせてしまい、上司から叱責され親に医療ミスを訴えられました。

本当は自分も相当悔しいはずなのに、瀬戸先生は親からの訴えを黙って受け止めました。

一番辛いのは親だということを知っていたからではないでしょうか。

親が怒るのは当然だからです。

訴訟は憂さ晴らしかもしれません。

本当なら耐えられない状況に際しても、瀬戸先生は耐え抜きました。

湊がしたこと

湊は美結ちゃんが最後に感じていたこと、死ぬ直前の美結ちゃんの行動を紡ぎとりました。

美結ちゃんが最後に握りしめていたものは、お母さんとの約束でした。

美結ちゃんはお母さんを握りしめていたのかもしれません。

お母さんとのお守りが唯一の望みだったのではないでしょうか。

お母さんなら自分を救ってくれるとわかっていたのです。

美結ちゃんの最後の姿を知ることで、母親は美結ちゃんとの絆を取り戻したのかもしれません。

知らないところで亡くなったのではなく、最後は自分を信じてくれたとわかったのです。

それは美結ちゃんからの愛であり、自分の愛の証でもあったのかもしれません。

亡くなったことは悲しいけれど、自分の愛が伝わっていたことを知り、安心できたのかもしれません。

美結ちゃんと最後の会話ができ、母親の怒りはなくなったのではないでしょうか。

湊先生の優しさは瀬戸さんを救うことになりました。

高山先生は湊をどう思っているのか

高山先生は湊を異常なまでに厳しく育てています。

3話の最後に登場したのは高山先生の自閉症の弟さんかもしれません。

高山先生の弟さんは不運な最後を遂げたのかもしれません。

整備士になりたいという夢が邪魔をしたのでしょうか。

「お前は医者にはなれない」

高山先生の言葉には、何か深い意味が隠されているようです。

自閉症の弟を持っていた高山先生は、心から湊先生を嫌っている訳ではないように思います。

湊先生の可能性は、高山先生をも変えることになるかもしれません。

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胸のトントン

湊先生の胸のトントンは亡くなったお兄さんとの交信でした。

思えば湊先生はピンチの時にいつも胸のトントンを行なっていました。

胸をトントンをして、お兄さんに合図を送っていたのかもしれません。

いつも助けてくれたお兄さんが、必ず助けてくれると信じているのではないでしょうか。

急に絞扼性イレウスは発症する

絞扼性イレウスは、手術を経験したことのある小児に多いものです。

しかし稀に手術経験のない小児にも起こるそうです。

美結ちゃんはたらい回しにされ、絞扼性イレウスが原因で誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)と排血性ショックを併発していました。

誤嚥性肺炎とは口から入るべきものが肺に入ることによって、唾液などと一緒に細菌が肺に入る病気です。

排血性ショックは感染によって、重要な器官系が機能不全に陥った状態です。

絞扼性イレウスは何らかの原因で腸がふさがってしまい、圧迫され、壊死してしまう症状です。

このような危険な状態で、絞扼性イレウスの処置を行なったことになります。

イレウスの処置中に肺機能不全になっていたことが考えられるのではないでしょうか。