これまでのコード・ブルーの時点で涙が出てきそうになりました。
現実社会への影響🌟
2010年には #コード・ブルー で描かれたフェローシッププログラムとまさに同じHEM-Netドクターヘリ搭乗医師・看護師研修助成事業がスタートしたそうです✨
リアル藍沢先生たちがこれからも増え続けることを願って…!#劇場版コード・ブルー pic.twitter.com/Du9TCUJZbi
— 『劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-』公式アカウント (@codeblue_movie) 2018年8月11日
そこには3rdシーズンでは登場しなかった、黒田先生(柳葉敏郎)や田所先生(児玉清)の姿、梶寿志(寺島進)の姿がありました。
若き日の主要メンバーの奮闘が映し出され、本編はスタートします。
以降ネタバレです。
スキルス性胃がんの花嫁
この映画には大きな事故が二つとその後の人間関係が描かれます。
一つ目の事故・成田空港での航空機緊急着陸で負傷した富澤未知さん(山谷花純)はスキルス性胃がん(胃の表面が正常な組織を残しながら、ガンに侵されていく疾患)の末期状態でした。
結婚式を行うために受けたメディカルチェックで胃がんが見つかり、その後は婚約者の岩田彰生(新田真剣佑)を遠ざけていました。
彼女は看護師の冴島はるか(比嘉愛未)や医師の白石恵(新垣結衣)にとてもきつい態度を見せます。
自暴自棄になった彼女を責める者は誰もいませんでした。
白石と冴島はきつくあたられても、すみませんと言って対応します。
末期のガンに侵された時、悲しくて、苦しくて、辛くて本来の自分を見失ってしまうことに、自分もならないなどと言える人はいないのです。
彼女は何も悪くありません。
もし自分が同じ立場であったら、もっとひどい状態になっているかもしれません。
冴島と白石は何も言うことができず、耐えることしかできませんでした。
富澤さんの元へ婚約者の岩田さんがやってきますが、富澤さんは突き返してしまいます。
来てくれたことは本当はとても嬉しかったのですが、彼の将来のことを考えると、もう自分を忘れる方がいいと思ったのでしょう。
そんな彼女に緋山美帆子(戸田恵梨香)が優しく話しかけます。
「私は別れの前にきちんと話し合うことで、亡くなった人とも綺麗に別れることができ、その後の人生も幸せに暮らしている人を知っている」と。
「彼女は亡くなった元彼氏のことを今も忘れてはいません」
緋山そう言って冴島の方を見つめるのです。
冴島はるかのキャスティング👩⚕️
「明るいキャラクターの比嘉さんには自らにコンプレックスを抱える冴島を演じてもらいました」と振り返るプロデューサー。
数々の悲しみを乗り越え、凛と働く姿に胸を打たれました😢#コード・ブルー #劇場版コード・ブルー pic.twitter.com/feiRODk47I
— 『劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-』公式アカウント (@codeblue_movie) 2018年8月6日
富澤さんは自分に優しく接してくれる冴島の気持ちを知り、婚約者と式を挙げることを決意します。
式の当日に吐血し、病院へ運ばれた彼女はとても幸せそうに笑っていました。
子どもは親を選べない
この物語には二つの親子が登場します。
親から虐待を受け、幼少期に家から逃げ出した青年・杉原剛志さん(平埜生成)、そして主要メンバーの看護師・雪村双葉(馬場ふみか)。
雪村はアルコール依存症の母親(かたせ梨乃)に自分の生活を壊され、逃げるように独り立ちし看護師になったようです。
馬場ふみか、内田理央ら「モグラ女子」女優としての活躍 #コード・ブルー #劇場版コード・ブルー #馬場ふみか @codeblue_movie https://t.co/BDyueiLe85
— シネマトゥデイ (@cinematoday) 2018年8月8日
久しぶりに再会した母親は酒に酔い、頭に包丁が刺さった状態でした。
酔った彼女は処置中に、包丁を頭部から抜いてしまい気絶します。
杉原さんは虐待を受けていた父親に海ほたる(東京湾に浮かぶパーキングエリア)で10年ぶり再会していました。
杉原さんは本心とは裏腹に父親にとてもひどいことを言ってしまいます。
その後、巨大フェリーが海ほたるに衝突し、鉄柱が父親の体を貫いてしまうのです。
駆けつけた白石と雪村、藍沢耕作(山下智久)はその場でできる処置を施しましたが、時間がかかりすぎているため、このままでは父親を救うことはできないと判断します。
諦めきれない藍沢は、父親の体を鉄柱から取り外すために左側で繋がっている体の部分を一旦全て切り離し、体をスライドさせようと計画します。
そんなことを今まで行ったことのない藍沢と白石は家族の同意を取るため、杉原さんに話しかけます。
杉原さんは10年ぶりに会った父親のことは何も知らず、本当は死んでしまってもいいと思っていると告げます。
自分を苦しめた父親を見殺しにしてもいいと思う自分がいたのです。
藍沢は「子どもは親を選べない。できの悪い親から幼少期に逃げるのはとても勇気がいる行動だった」と杉原の気持ちを受け止めます。
藍沢の言葉を聞いた杉原は本当に伝えたかった、自分は幸せな家庭を築くことができたという報告を果たしたいと言い、藍沢たちの提案を承諾します。
同じ境遇を体験した杉原さんの姿を見た雪村は心打たれるものがあったようです。
藍沢は雪村へ母親への処置の同意を求めますが、「私は母親から逃げた身のため、聞かないでほしい」と言います。
藍沢は逃げるという選択をとったことは間違いではないと言います。
藍沢の過去を知らない雪村は「幸せな家庭で育った藍沢先生に私の気持ちなど分かるはずがない」と言い放ちます。
その言葉を聞くも反論せずに部屋を出た、藍沢も親とは絶縁し、祖母に育てられた身なのです。
子どもは親を選ぶことはできない。
藍沢の言葉は深く心に訴えるものがあります。
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— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) 2018年8月7日
親に恵まれなかった子どもたちは憎むべき相手であるにも関わらず、本来は憎むべき相手ではない両親との関係に悩まされます。
良い両親であれば、一心に愛情を受ければいいはずですが、それが叶わなかった子どもたちは憎むべき相手をどうしても憎むことができません。
どこまでもそのしがらみから解放されず、悩まされ続けるのです。
逃げても逃げても自分にまとわりつく血縁を拭うことはできません。
身を以て体験した藍沢の言葉は、2人の子どもたちの心を少し軽くしたのかもしれません。
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脳死し臓器提供の意思を示した14歳の少年
海ほたるへの巨大フェリー衝突事故で海に溺れ、脳死してしまった少年を灰谷俊平(成田凌)が見つけます。
少年は臓器提供意思表示カードに脳死状態での臓器提供の意思を表明していました。
14歳以下の臓器提供意思表示カードへの記載は効力を持たないため、判断は両親に委ねられます。
悩んだ挙句、両親は少年の最後の意思を尊重したいと言い、臓器提供を決意します。
処置が終わった後、橘啓輔(椎名桔平)は息子の優輔を両親に会わせます。
「息子の心臓は臓器提供者からもらったものです」と橘は言います。
「この子の体の中で、その方の心臓は生き続けています」
両親は目の前で生きる子どもの心臓の音を聞き、息子の心臓もこのように誰かの胸の中で鼓動を打つのではないかと思えたのではないでしょうか。
橘啓輔(#椎名桔平)
✅翔北救命センターの部長
✅スタッフたちを時に優しく、時に叱咤し見守る息子の優輔は難病の拡張型心筋症を患うも、心臓移植が成功し一命をとりとめた。フェリー衝突事故により、脳死判定を受けた少年の家族と向き合うことに✍#劇場版コード・ブルー #コード・ブルー pic.twitter.com/P2LsrMAxdd
— 『劇場版コード・ブルー –ドクターヘリ緊急救命-』公式アカウント (@codeblue_movie) 2018年7月27日
両親は橘先生にお礼を言いながら泣き崩れてしまいます。
映画館の観客もこのシーンで多くの人が泣いていたように思います。
言葉で感情の全てを伝えることはできない
名取颯馬(そうま)(有岡大貴)は尊敬する緋山が、周産期医療センターへ行ってしまうことをとても寂しく感じていました。
患者の心に踏み込むことができない名取に勇気をくれたのが緋山でした。
名取は緋山が心配しないよう、自分が成長した姿を見せたいと思います。
過保護に指導する緋山を突き放し、自分はもう1人でやっていけるから大丈夫だと訴えるのです。
心配させたくないがために、本当は尊敬する緋山先生にきつい態度を見せます。
緋山は彼氏で頸椎脱臼骨折による後遺症で、手を思うように動かすことができなくなった緒方さん(丸山智己)にひどいことを言ってしまいます。
そのことを後悔していた緋山は3週間も謝ることができずにいました。
謝った緋山に緒方はそんな緋山先生が好きなんだと言ってくれます。
人が思っていることを言葉で表現することは難しい。
思いとは逆のことを言ってしまうこともあります。
伝えようとしても、うまく伝えらえないこともあるのです。
しかし時として、うまい具合に思いが伝わる時があります。
花嫁になった富澤さんは婚約者の岩田さんへ感謝の気持ちを告げます。
そんな彼女へ富澤さんが「大好きな君がいてくれてありがとう」と言うのです。
岩田さんにとって、目の前にいる富澤さんの姿が本当に奇跡のように嬉しかったのかもしれません。
人は今を生きず、未来や過去のことを考えてしまうことがあります。
岩田さんは大好きな人がいる今の状況を感謝していたのかもしれません。
岩田さんの言葉の中には様々な思いが込められていました。
その全てを富澤さんは受け止めることができたのではないでしょうか。
最後にトロントへ向かう藍沢は、そのことを家族へ伝える必要はないと言いました。
自分にとって、家族よりも長い時間を過ごした仲間たちがそばにいてくれたから、その必要はないと言ったのです。
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— 映画.com (@eigacom) 2018年7月30日
藍沢の言葉の奥の感情も、仲間たちはきちんと受け止めることができたのではないでしょうか。