私は今年の1月7日まで長い長いうつ病でした。
その長い長いうつ病に終止符を打った一つの要因は記録だったかもしれません。
うつ病に打ち勝つには相手を知る必要があります。
相手とは自分であり、うつ病という病気そのものです。
私は長く続く中で、そろそろ抜け出したいと思い始めたので、記録をつけることにしました。
すると、うつ病というものが具現化し出し、あまり怖くなくなりました。
これはうつ病の予防にもなると思うので、合わせて書いていきます。
簡単な記録でいい
本当は日記をつけるといいと思いますが、ここであえて「記録」と書いているのは、記録の方が簡単だからです。
日記だと文章になるので、結構やる気が必要になります。
ですが、記録であれば簡単になります。
私は項目を決めて書くようにしています。
例えば、朝昼晩何を食べたか。
よく眠れたか、頭は冴えているか、体調はいいか、心の調子はどうか。
変化はあるか、予定は何か。
などなど、自分が記録した方がいいと思うものを書きます。
そして備考欄に、書き留めておいた方がいいことを書きます。
例えば、筋トレをしたから、体が痛い。とかそういう体の調子に関わることを書いていくのもいいと思います。
ここでなぜ筋肉痛について書いたかというと、うつ病の時はちょっとした痛みでも、ストレスに感じることがあるからです。
うつ病の人の心は非常に敏感になっているため、筋肉痛程度の痛みでも、長く続くと、それが死にたいという気持ちに変わることがあるのです。
うつ病がひどい時は備考欄に、感情の変化の要因を書くといいかもしれません。
どうして面倒だと思ったのか、その理由を書くことのです。
ストレスを感じた時に毎回記録していると、ストレスをかあまり怖いと思わなくなります。
ストレスを感じることが、自分のうつ病の記録材料になるからです。
うつ病を研究しようと思えるようになることで、うつ病の症状が出ることが少し待ち遠しくもなります。
敵を知る
記録をつけることは、うつ病というものを知るのにとても役に立ちます。
上で書いたように、どうしてストレスを感じたのかを書いていくと、嫌なことがあったり、嫌いな人が話しただけで、死にたいという気持ちの要因になっていることがわかります。
今まで気持ちだけが乱雑に襲ってきていた状況が変わり、理由が明確になります。
そうなることで、うつ病という病気を客観的に見ることができ、自分という人間がどういう人かを知ることにもつながります。
うつ病を克服するということは、自分を知ることと同じような気がします。
自分がどうなればうつ病になるのかを知ることになるのです。
うつ病にならなければ、人生は少し楽になります。
それは自分を理解することにつながるのです。
少しでも対策が見えてくる
うつ病の人でも、四六時中気分が悪いわけではありません。
気分が悪くなるには起因があります。
重度の方は一日中常に気分を害しているかもしれませんが、治ってくればくるほど、その頻度は減っていきます。
自分はどう過ごせばストレスを感じないのかが分かれば、この病気を治す糸口になるかもしれません。
また、食べたものを管理することで、他の病も管理することができます。
私は逆流炎によくなるのですが、何を食べた日に逆流炎になるのかわかるようになりました。
記録を取っていると一貫性があることに気づくのです。
逆流炎になる理由が分かれば、それを避けることになります。
逆流炎を避けることは、うつ病を治す起因にもなるかもしれません。
逆流炎は痛みを発症します。
その痛みは一日続くこともあるため、かなりのストレスになるのです。
逆流炎になる日を減らせば、うつ病の治療にも役立つかもしれません。
見直すと効果が見えてくる
一週間以上記録していると、先週の同じ日の状態を見ることができます。
もしも先週の同じ日がいつもより調子が良かったとすると、何を食べたか確認したりして、理由を探ったりすることができると思います。
記録を取っていると、意外と細かいところまで思い出せるので、その日に何をしたかが蘇ってきます。
そうして分析していくと、もしかするとだんだん良くなっていくかもしれません。
うつ病は不治の病
実はうつ病は不治の病です。
まだ風邪や頭痛のように完全に効く治療法を編み出せていないのが現状です。
病院に行くのもいいかもしれませんが、行って必ず治るというわけではありません。
ネットで調べた方法で治るなんてことはまずありません。
わかっていることはストレスが過多状態であることと、ストレス耐性が弱くなっているということ、そして特定の脳内物質が減っているという状況だけです。
その状況を改善する確固たる方法は実は誰も知らないのです。
体の不調が関係している
私がうつ病の記録を取るようになってからわかったことは、体の不調がうつ病に関係しているのではないかということです。
うつ病は心の病気なのに、体の不調と関係しているのです。
うつ病になったから体に不調が出ているのか、体がしんどいからうつ病になるのか、どちらが先かはわかりませんが、体の不調とうつ病はセットである気がします。
先日体の調子が悪くなりました。
その時はうつ病が治っていたのですが、何もすることができませんでした。
何もしないというのは久しぶりでした。
体の調子が悪くなって気づきました。
うつ病の時に何もできなくなっていたのは、病気のせいだったのだと。
うつ病は風邪をひいているような状況なのです。
それは心だけではなく、体も同じです。
うつ病の人が会社に行くことは可能ですが、うつ病の人が会社に行くということは風邪の人が会社に行くということと同じことなのです。
ですので、風邪の人がするパフォーマンスしかできないのです。
そしてうつ病の場合は長くその状態が続きますので、風邪が何ヶ月も続いているということです。
こういうことも記録を取って初めてわかりましたが、私たちはうつ病のことを何も知りません。
自分がどういう状況にあるかすらわからないのです。
うつ病と闘う
大事なことはうつ病と対峙することだと思います。
なぜこんなことになっているのかを知ろうとすることです。
もちろん重度のうつ病の場合はそんなことをする気にもなりません。
ですが、もう死にたいとか、不快な気分を味わいたくないとか、長く続いている人は、その重い体に鞭を打ち、記録を取ることはいいのではないでしょうか。
うつ病を擬人化し、その秘密を暴いてやるのです。
何日もムヤムヤした気分が続くのは普通ではありません。
それは完全に不幸なことなのです。
その状況から脱しなければなりません。
そして、現在はうつ病への対処法は誰も知りません。
であれば、自分で見つけるしかないのです。