『イノセンス 冤罪弁護士』6話「罪人の理由」

ドラマ

『イノセンス 冤罪弁護士』の6話は、完成度の高い話でした。

PR



娘を自殺に追い込んだ青年を恨んだ元夫婦が、青年を陥れようと犯罪を犯してしまうという話でした。

ドラマではよくある話かもしれませんが、色々考えさせられる内容で良かったと思います。

須賀健太が悪い青年の役をやっていて、演技がド級でした。

吹越満さんも最高の演技でバトンをつなぎました。

罪を犯すとはどういうことか?

今回の犯人はとても良い人でした。

ちゃんと人の気持ちをわかっている人だったのです。

でもどうして犯罪を犯してしまったのか?

自分の一番大切なものを失った怒りは、それを奪ったものに向けられたのです。

もしも自分が同じことをされたら、あなたは自分を止めることができるでしょうか。

私は過去に人に陥れられたことがあります。

自分の運命を左右されたことがあるのです。

私はその人を恨み恨み恨みまくりました。

その人は影で隠れてこそこそ悪いことをするような人だったのです。

まさに悪人でした。

裁かれるべきはその悪人の方だったのに。

そう、だから私は恨み抜いたのです。

もちろんその先に何か罪を犯したわけではありません。

でも、何度も考えました。

復讐してやろうと。

そう、人は時として、自分でも抑えることができないほどの恨みを抱えてしまうことがあるのです。

その末に人を殺してしまったとして、その人を本当に悪い人だと言えるでしょうか。

犯人の夫婦は穂香(趣里)の息子・晴斗を誘拐したことを謝っていました。

彼らがしたことは間違えていますが、彼らが100%悪い人だとは言えないのです。

とても難しく、感慨深いドラマでした。

坂口健太郎さんにはまだ早かった

坂口さんはモデル出身の方なので、演技力はそれほど高くありません。

黒川弁護士は、一番の見せ場で、大仕事をするべきでした。

吹越満さんと須賀健太さんの最高の演技合戦の後、坂口さんの演技でドラマのレベルを低下させてしまった感があります。

これについては仕方がないことですが、ドラマとしては興ざめする形になってしまいました。

脚本的には非常に良かった回ですので、坂口さんの演技がイマイチで、かわいそうな結果になってしまいました。

坂口さんが悪いわけではありません。

周りの大人がちょっと無茶振りしすぎである気がします。

トリック

今回の音の科学現象は非常に見応えがありました。

 音は聞こえるはずの領域でも、高周波の音が強まると、低周波の音は聞こえなくなるという話でした。

この件については知らなかったので、とても見応えがありました。

この現象により、加害者たちは自分たちの犯行を後押ししてくれている思ったというセリフも非常に良かったと思います。

弁護士は何をする?

黒川弁護士はどんなに悪い人であっても、事実を探り無実を導きだします。

黒川先生は「弁護士は悪い人の味方ではなく、事実の味方だ」と言っていました。

黒川先生は事実を見つけたいのです。

真実になってしまった事実を見つけるために働いています。

なぜなら、事実が一番偉くなければ、社会が崩壊してしまうからです。

冤罪が起きる世の中。

嘘がバレない世の中には絶対にしたくないのではないでしょうか。