「ストロベリーナイト・サーガ」が「ストロベリーナイト」の続編だと思い、観ていました。
今日21時からはフジテレビにしてくれる? pic.twitter.com/V9WS5ONpHu
— 今野浩喜 (@comnotwithiroki) 2019年4月11日
ですが、3話目(「右では殴らない」)もやはり観たことのあるストーリーでした。
フジテレビはどうして、このドラマをリメイクしたのでしょうか。
フジテレビのドラマはなんでこんな・・・
「ストロベリーナイト・サーガ」は、完全にリメイクドラマでした。
最近ハリウッド映画でリブート作品が流行っていました。
『ゴーストバスターズ』や『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』などですね。
これは、「ずーっと前に公開されて、もうみんなストーリーを忘れているだろうし、CGの技術も発展したから、今主流のキャストで再始動したらヒットするんじゃない」という考えから公開され、きちんと客も満足し、ヒットしました。
このリメイクやリブートには、やってヒットする条件があります。
それは、「旧作とは完全に違う」ということです。
少し違うだけでは意味がありません。完全に違うためには、「キャストを変える」「旧作よりスケールアップさせる」「旧作とは違う展開にする」などの要素が必要です。
しかし「ストロベリーナイト・サーガ」はタイトルと、キャストだけ変更して、中身は”ほとんど”同じでした。
このドラマはヒットするのでしょうか。
ヒットしない理由の方が多いのに、どうしてこのドラマは制作されたのでしょうか。
「ストロベリーナイト・サーガ」がヒットしない理由
「ストロベリーナイト・サーガ」はおそらくヒットしないのではないかと思います。
なぜなら、旧作を超えていないからです。
ですが、制作サイドは下記のようにコメントしています。
フジテレビの渡辺恒也(編成企画)は、「2019年の今でしかできない、全く新しい『ストロベリーナイト』をお届けしたい」とコメントしている。
キャスティングミス
姫川を若くして、菊田をジャニーズにし、ガンテツを江口洋介にして、ストーリーはほぼ同じ
これでどうして超えたと思えるのでしょうか。
私なら、リメイクするからには、過去キャストも脇に固めて(旧作ファンへのプレゼント)、旧キャストと同レベルの俳優をキャスティングします。
もちろん江口洋介は良いと思いますが、主役をどうして若くする必要があったのでしょうか。
姫川という人物は、重い過去を抱えているとても悲しい人物です。
普通の役者では演じきるのが非常に難しい役どころのため、竹内結子さんでも勤まっていませんでした。
ですが、彼女は非常に美しいため、まだ見応えがありました。
美しさを失い、貫禄をなくした姫川にはカリスマ性はなく、単なる生意気な一刑事になってしまいました。
亀梨和也はある程度ハマっていますが、ジャニーズではなく、きちんとした俳優でなければ、超えたことにはならないのではないでしょうか。
このキャスティングはおそらく、若い人向けにされたものだと思います。
フジテレビは若者をターゲットにしたかったのですね。
それなら、このキャスティングは正解かもしれませんが、これだけでは決して旧作を超えることはできません。
旧作を超えさせたければ、もっともっと入念に準備をし、アイデアを絞り出す必要がありました。
そうでなければ、TBSのドラマのレベルが高すぎて、見劣りしてしまうのです。
新しくない
超えてはいないということは、旧作のファンは見ないということです。
旧作のファンは、旧作を超えないと観ないです。
何か新しさがないと、観ないでしょう。
新しさとは、ストーリーのちょっとした相違点だと思います。
あるいは、設定が根本的に違うなどですね。
それくらい変わっていないと、旧作のファンが見る動機がありません。
今回の新作にはそれが全くありません。
「ソウルケイジ」はオチも展開も旧作とほぼ同じでした。
私はストーリーを全く忘れていましたが、最後「ホームレスが高岡だった」という展開で、「あれこれ知ってる」となりました。
その瞬間に、これなんで観させられたんだろうと思ったのですね。
それでも旧作が非常に好きだったので、次こそ全く新しい話かなと思ったら、4話は「右では殴らない」でした。
旧作ファンは、よほど好きでない限り、「右では殴らない」を観ないのではないでしょうか。
なぜなら思い出させてもらっても、暇つぶしにはならないからですね。
ここまでくると、「フジテレビは何がしたいんだろう」と、突っ込みたくなりますね。
早すぎた
早すぎたという意見は、Business Journalにも書かれているので、あえて深掘りはしませんが、ここでは早すぎたと思った理由を書いていきます。
「ストロベリーナイト」のリメイクはとても早すぎました。
なぜなら、リメイクは完全に忘れた頃にやらないと意味がないからです。
「ストロベリーナイト」は6年前の2013年に映画が公開された結構新しいドラマです。
しかもこのドラマは、今までになかった完成度の高さで非常にインパクトがありました。
刑事ものがそんなに好きではない私でも、どハマりするほど、秀逸な作品だったのです。
このドラマには一度見たら忘れられない衝撃があります。
言ってみれば、本当に稀有なドラマなのです。
それを6年で忘れることはできません。
6年経って期待するとしたら、全く新しい「ストロベリーナイト」です。
「スターウォーズ」のアナキンのストーリーくらいの価値がないと、その期待には答えられないでしょう。
正直1話の「ストロベリーナイト」が非常に見応えがあったので、2話目が拍子抜けしたのもあります。
でもそれでなくても、やっぱり新しい展開を見たかったですね。
というか、リメイクするなら、もっとして欲しい作品がフジテレビにはたくさんあるのです。
「古畑任三郎」「王様のレストラン」「ピュア」「ビーチ・ボーイズ」「沙粧妙子-最後の事件」などなど、もっともっと古いドラマで、続編やリブートを待ち望んでいる作品がたくさんあるのです。
だから、どうしてこんなに早く「ストロベリーナイト」をリメイクしたのかというのが正直な印象なのです。
主人公のキャラが濃い分「古畑任三郎」や「ビーチ・ボーイズ」をリメイクするのは、なかなか難しいかもしれません。
それは「ストロベリーナイト」も同じです。
でも「王様のレストラン」や「沙粧妙子-最後の事件」なら新キャストでリブートするだけで、見れるはずです。
似たようなドラマ「崖っぷちホテル!」より、「王様のレストラン」の方がよっぽど面白いと思うんです。
そういう意味でも、非常に期待はずれでした。
リメイクをどんどんしたらいい
フジテレビのドラマは、低視聴率化しており、パッとしない感じがずっと続いています。
それは映画のドラマ版や漫画のドラマ化など、パッとしない戦略が続いているからです。
内情はわかりませんが、正直才能のあるスタッフがいなくなってしまったのかなと愚痴を言いたくなるほどパッとしないのです。
でもそろそろ復活させなければ、本当にヤバイと思います。
(TBSがとてもいいドラマを連発しているからです。)
フジテレビは過去非常に面白いドラマをたくさん生んできました。
今のTBSと引けを取らないほど、見応えのあるドラマがたくさんあったのです。
ですので、それを活用したリメイクを全面に打ち出したらいいと思います。
過去にヒットしたドラマをリメイクするのです。
新しいキャスト、脚本家で現代風にアレンジして、リブートさせればいいのです。
そうすれば、旧作のファンは懐かしがって見てくれると思います。
ドラマだけではなく、1980年代に流行った名作小説も、現代風にアレンジすれば、主婦層はそれだけで集まると思います。
そんな作品ならいくらでもあるでしょう。
現代は戦後からだいぶ時間が経っているので、もう新しいものを作ろうとせず、リメイクしていくだけで、いくらでも客は満足できると思います。
10年以内のまだ記憶に新しい作品をリメイクするのではなく、もう皆が記憶から消してしまっている超古いドラマをリブートすることが今、求められているのではないでしょうか。
そしてフジテレビには、そんな名作がとてもたくさんあるのです!